マサ公の将棋実戦次の一手

初心者に将棋の考え方を分かりやすくかみ砕いて解説

「王の早逃げ八手の得」|表現は大袈裟だが実戦に非常に応用が効く格言

んにちは! マサ公です。

 

王の早逃げ八手の得」という格言があります。

 

将棋の受けのコツに攻められる一手前に受けるというのがあります。

 

王が不安定な形では、なるべく近くの金銀に近づいたり、囲いの奥に入る手が有効な場合が多いです。

 

このような手を「王の早逃げ」といい、なぜ「八手の得」なのかは定かではありませんが、つまりそれほど効果的だということが言いたいのでしょう。

 

今日は実戦に現れた「王の早逃げ」の実例をご紹介しましょう。

 

 

 

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詳しくは下記記事をご覧ください。 

 

masakouchang.hatenablog.com

 

 

   

  

第1問 王の早逃げ八手の得

 

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上図をご覧ください。

 

今、☗82と先手が金を引いたところです。

 

現状を分析してみますと駒の損得はありませんが、後手は飛車を持っているのが大きいです。

 

この局面の考え方は

  • 先手の陣形は飛車に弱く攻めの手番が回れば☖86銀等の有効な手がある
  • 現状を放っておくと、☗72歩成で金を取られてしまうのが厳しいので、これを受けなければならない

 

手番が回れば有効な手がある

 

現状は受けなければならない

 

この局面の焦点は☗72歩成のと金攻めをいかに受けるかです。

 

といって☖73金と歩を取るのは、☗85桂打が厳しく単純には受かりません。

 

ここで着目して欲しいのは、王が危険地帯にいるということです。

 

王は局面の右側にいる金銀の側に近づくのが安全なのです。

 

王がどけば金の逃げる余地ができるのがお分かりになりますよね。

 

2通りの逃げ道のうち、なるべく金の逃げる余地が広い方が正解です。

  

お考え下さい。

 

第1問解答

 

☖41王(図)

 

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正解は☖41王です。

 

この手によって☗72歩成に☖52金と逃げる余地ができ、王を右側の金銀に近づけて安全にすることができます。

 

このような手を将棋用語で「 王の早逃げ」といいます。

 

ハ手の得」というのは少し大げさな表現ですが、相手から攻められる前に王を安全地帯に移動することが、いかに大きな価値を持つかと言うことを物語る表現だと思います。

 

この将棋は以下数手進行し、さらに参考1図の局面を迎えます。

 

参考1図

 

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この後手の形は相手に飛車を渡すと横から打たれて一手で詰んでしまう形です。

 

非常に危険な形なのでやはり受ける必要がありますが、ここでも正解手は玉の早逃げです。

 

☖31王とさらに早逃げすることによって王の安全度が格段に違ってきます。

 

横から飛車で王手されても、41に合駒すれば堅い形です。

 

王の早逃げハ手の得」の意味がお分かりいただけたでしょうか。

 

事前に危険を察知して攻められる前に逃げる感覚をぜひ学んでください。

 

 

 

第2問 送りの手筋 

 

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図は☖26歩に☗同香とした局面です。

 

現状を分析してみますと、攻めの手番を握っている後手が寄せのチャンスです。

 

この局面の考え方は

  • 49の銀が非常に不安定である
  • 角の特性を活かして67角を馬にすることを狙う

 

銀が不安定

 

馬にすることを狙う

 

駒を打って取らせることによって王の利きをはずすことができれば49の銀をとって馬を作ることができます

 

となると持ち駒が金3枚なので、28か27に打ち込んで取らせることによって☖49角成が実現することがお分かりいただけるかと思います。

 

同じ☖49角成でも王手が続いたほうがいいですよね。

 

お考え下さい。

 

第2問解答

 

27金(図)

 

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正解は☖27金です。

 

これを☗同王と取るのは☖49角成が王手で、先手は合駒するしかありませんが、持ち駒に銀がないのが泣き所です。

 

仕方ない☗38桂に☖25歩☗同香☖26歩と寄せの追撃をすることができます。

 

実戦は☖27金に☗48王と逃げましたが、そこで☖68金(参考2図)が、前に学習した「 王は包むように寄せよ」の教えのとおりの手です。

 

参考2図

 

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次に☖49角成☗同王☖38金打の詰みを狙っています。

 

先手は受けが難しいので、この後王手を続けていくことになりますが、結論からいうと後手の王に詰みはありません

 

手順は難しいので省略しますが、この27金のような手を将棋用語で「 送りの手筋」といいます。

 

参考3図は送りの手筋を応用した詰め将棋です。

 

参考3図

 

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詰め手順は☗12金☖同王☗32竜☖22金☗21銀までです。

 

このように送りの手筋は飛車にも応用が利きます

 

実戦によく出てきますので、この機会に学んでください。

 

まとめ

 

今回は次の2点を学びました。

  1. 王の早逃げハ手の得攻められる前に危険を察知して、王をあらかじめ安全地帯に逃がす
  2. 送りの手筋駒を打って王を狭い方へ追い込み、詰みなどを狙う

 

王は攻められてから逃げていると手遅れになることが多いです。

 

攻めを狙われていることを察知して早逃げすることが大事ですので、その呼吸を会得してください。

 

送りの手筋は寄せや詰みの超基本的な手筋ですので、この機会に学んでください。

 

お読みいただきありがとうございました。

  

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