将棋の攻め方の基本は足し算|兵力を総動員して敵線突破
こんにちは!マサ公です。
皆さんは足し算と言うと何を思い浮かべるでしょうか。
小学校の頃の算数の授業思い出して、得意だったなぁと思われる方、年配の方は算盤を連想される方もいらっしゃるでしょう。
さて今回は将棋の足し算についてお話し申し上げます。
一体どんなものなのでしょうか。
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第1問 攻めゴマの一点集中
今、先手が☗68金と打って守ったところです。
現状を分析してみますと、角金交換で後手が駒損をしているうえに飛車が死んでいるので、一見後手不利に見えます。
しかし先手の飛車が守備にしか働いていないのと王の守りが極端に薄いので、後手が先手の王に食いつきさえすれば、局面のバランスを保つことができます。
この局面の考え方は
- 相手の急所の守りの駒は68の金
- ☖57金と攻めたいが現状は☗同金以下、駒損が大きく後続の手がない
急所の守り駒は68の金
☖57金と攻めたい
相手の守備の要は68の金です。
☖57金と打って☗同金☖同銀成☗同玉の形にし、王を裸にしたいのですが現状では直後に有力な手がなく、銀一枚損するマイナスの方が響いてきます。
持ち駒が金二枚ですので、☖57金を厳しくするためには57に利く駒を一枚足せばよい理屈になります。
47に空間がありますね。
お考え下さい。
第1問解答
☖47金(図)
正解は☖47金です。
これで次に☖57金打を狙います。
これに対して☗66角と数で受けようとするとどうなるでしょうか。
結論からいうとそれでも☖57金と打っていく手が成立します。
☖57金打以下全部取り合って(☗同金☖同金寄☗同角☖同金☗同王の手順)☗57同王となったときに、☖35角(参考1図)と打つ手があります。
参考1図
これで☗46歩に☖44角と銀を取り返すことができるので、攻めが続きます。
少し難しくなりますが、その後☗84銀と飛車を取られたときに安易に☖同歩とせず、☖77角成と桂馬を取って王に肉迫するのが後手の守りの堅さを活かす攻めとなります。
参考までとなりますが、このように肉を切らせて骨を断つ指し方もあるということを頭の隅に留めておいてください。
ということで、駒損しても大駒(飛車や角)が手に入ると手が続きやすいというのが、☖57金打が成立する理由です。
このことは、逆にいうと大駒は奪われると反撃がきついので、守りに適さない駒であるということも言えます。
解答図以下実戦では先手は☗43馬としましたが、57の地点への利きは後手の方が数で上回っているので、☗57金打☖同金☗同金寄には王が逃げる一手なっているのをお確かめください。
このように将棋には足し算の攻めという考え方があることを学んでください。
第2問 角と桂馬の頭は弱点
図は別の将棋で今、83の飛車を☖82飛と移動させたところです。
現状の先手は角金交換の駒損ですが、後手の王の守りが極端に薄いのと先手の手番なので、ここで攻めを継続することができれば先手に分のある将棋と言えます。
この局面の考え方は
- 後手の弱点は角の頭
- 桂馬を攻める☗26歩は成立しない
後手の弱点は角の頭
桂馬を攻める☗26歩は成立しない
角の頭(この場合は54の地点)や桂馬の頭(この場合は26や74の地点)を歩で攻める手は常に有力な攻め筋であり、攻められる側にとっては弱点です。
しかし74の弱点は☗75歩と攻めていっても☖同角と取る手があり、54や26に比べて王から遠い攻めで響きも薄いといえます。
☖26歩はこのまま歩が進んでいけば厳しい手なのですが、これには☖59角と打つ手があります。
26の歩を取られて馬を作られると何をやっているか分かりませんので、☖28飛と受けますが☖37桂成とされ、桂馬に生還されてしまう上に飛車を攻められてしまいます。
したがってこの局面では☖26歩は成立しないということがいえます。
となると残るは角の頭です。
次の手はお分かりですね。
第2問解答
☗55歩(図)
正解は☗55歩です。
これに対して攻め合うとしたら☖65桂くらいですが、☗66銀と逃げておいて結局、桂馬取りと☗54歩の取り込みが厳しく残ります。
そこでこの局面では☖同歩と取るくらいですが、☗54歩の叩き(歩の犠打を放つこと)が継続する厳しい手となります。
これに☖同金は☗43銀が厳しく、☖31角と逃げる手には☗41金で角が死にます
粘るなら☖71角ですが、以下の変化は難しくなりますので参考としてください。
これには☗64歩☖同歩☗62歩(参考2図)という手があり、放っておけば☗61不成で角が死にますし、飛車・角どちらで取っても☗53金が厳しくなります。
参考2図
単に☖62角や☖42角とする手にもやはり☗53金と打ち込んで、さらに後手の王を薄くして先手が充分な形勢となります。
まとめ
今回は次の2点を学びました。
- 将棋には足し算の攻めという考え方がある
- 攻めの急所として角頭や桂頭は常に弱点になる
足し算の攻めとは同じ地点に何枚かの駒を利かすこと。
攻め側の駒の利きの方が一つでも上回れば、その地点での数の争いに勝つことができます。
また実戦で角頭や桂頭を歩で攻めていく形は非常に良く出てきます。
応用範囲が広いので是非参考にしてください。
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