将棋のツボ|と金の遅早~一瞬のタイミングを捉える効かし
こんにちは! マサ公です😊
将棋には「と金の遅早」という格言があります。
と金攻めは遅いようで早く、「マムシのと金攻め」とも言われます。
毒蛇のイメージのとおり、皆さんも一度は嫌な思いをしたことが有るでしょう。
今日はそんなと金攻めをテーマにお話したいと思います。
お付き合いくだされば幸いです。
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第1問 マムシのと金
この問題は初級者向けです。
上図をご覧ください。
今、後手が☖65銀と銀を逃げたところです。
現状を分析してみますとまだ駒の損得はなく、ここで手番なので攻めは継続できればという局面です。
この局面の考え方
- 相手の弱点は53
- 遅いようでも早い攻めがある。
弱点は53
遅いようで早い攻め
☗82歩がありそうですが☖31飛と逃げられて、ここで歩切れでは思わしい攻めがありません。
貴重な一歩なので有効に使いたいところです。
ヒントにも申し上げましたとおり、53に横に利く駒を張り付かせたいのです。
その手は時限爆弾のように、ゆっくりとしていますが着実な攻めです。
垂れ歩と呼ばれるこの手はマムシのようにいやらしく、毒がジワジワ効いていくような手です。
お考えください。
第1問解答
☗64歩(図)
正解は☗64歩です。
これでと金を製造して53に張り付く手が非常に厳しくなります。
打ってから53にたどり着くまでに3手かかりますが、と金の製造を受ける手がなく後手は非常に忙しいのです。
このように遅いようで早いのがと金攻めの特徴です。
真綿で首を絞めるようなマムシの毒のいやらしさを感じませんか?
以下実戦の進行を参考までに記します。
この後☖66歩☗58銀☖87歩成☗同金☖86歩と進みましたが、これに金を逃げる手は形が悪いので私は☗86同金と切って落としました。
同金に☗63歩成とする、金損の手が成立します。
参考動画1図
駒損の攻めが成立するのは、攻めにも受けにも中途半端だった78の金が63の急所のと金にかわる、その効率の良さが素晴らしいからです。
第2問 タイミングの良い効かし
この問題は初中級者向けです。
上図は後手が☖65金としたところです。
現状を分析しますと後手は持ち駒がないので、☗46王と桂馬を取りながら左翼への脱出を目指す手が目に映りますが、一見相手の王の寄せの形が見えない局面です。
この局面の考え方
- 将棋には効かしという考え方がある
- 絶好のタイミングの手がある
効かしとは?
タイミングの良い手
後手から次に☖56金と王を下に落とされてはもちません。
なので☗46王の一手と考えてしまいそうな局面ですが、将棋はこれしかないという局面でこそ一呼吸おいて、このタイミングのみに効く手を考えてみるべきなのです。
こういった手を将棋用語で「効かし」といいます。
以下は初級者向けヒントです。
「 相手の応手を聞く」という考え方があります。
この局面では急所の叩きの歩があります。
☖56金を許さない手といえば王手ですよね。
お考え下さい。
第2問解答
☗23歩(図)
正解は☗23歩です。
この王手に後手はどう応じても気持ちが良くないのです。
端に逃げる手は後に22への打ち込みや、☗15歩の攻めを見られますし、☖同金は43の銀が浮きます。
結局実戦は☖同王と応じましたが、☗46王と桂馬をとっておいて、次の☗25歩が厳しく残りました。
一見手付かずだった後手の王が、☗23歩の叩き一発で一気に危険な形になってしまうことをお確かめください。
ちなみにこの将棋は参考動画2図へと進行し、ここで長手数の即詰みが生じました。
動画となっておりますので参考までに再生してみてください。
参考動画2図
腕に覚えのある方は、解答を見る前に考えてみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は2つのポイントを学びました。
- 相手の弱点をつくマムシのと金。 歩を持ったら垂れ歩の攻めがないか見渡してみる。
- 形を乱す急所の叩きの歩。他の手が考えられないときに一呼吸おいて効かす手がないか考えてみる。
垂れ歩と叩きの歩は非常に応用範囲の広い手筋ですので、実戦に活用してみてください。
お読みいただきありがとうございました。
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