【将棋定跡の基礎】これだけ覚えればバッチリ!初手の組み合わせから分かれる基本戦法
こんにちは!マサ公です😊
今回から将棋の「※定跡」に焦点をあてたコーナーを設けていきたいと思います。
代表的な先手後手の初手4パターンから分岐する、戦法のバリエーションを解説していきたいと思います。
あわせて将棋初心者の方向けに、棋譜の表し方・読み方も詳細に解説していきます。
※定跡・・・プロなどが研究し日々進化している、将棋の序盤(始めから開戦まで)、中盤(開戦から優劣の分かれる辺りまで)の地図みたいなもの
第1章 棋譜の表し方・読み方
定跡を解説する前に棋譜(一局の将棋の流れを記録するために駒の動きを記号化したもの)の表し方・読み方について解説します。
本章のポイント
- 歩が進む場合
- 飛車が成る場合
- 桂馬が成る(成らない)場合
- 香車が成る・打つ場合
- 歩を打つ場合
- 複数の銀の行き場所が重なる場合
- 複数の金の行き場所が重なる場合
- 同じ場所に動く場合
棋譜の表し方についてパターンを第1図に示しました。
第1図
上図を使って黄色のマーカーの位置に駒が進む場合の棋譜の表し方を解説します。
なお☗は「先手」、☖は「後手」の意味です。
歩が進む場合
一番左 ①は、右から数えて9列目、上辺から5段目の位置なので95です。
なので一個下の96の歩が95に進むときは
☗95歩
と表します。
飛車が成る場合
左から2列目②は、82の位置に飛車が成る場合です。
上の81の飛車が成るときは
☗82飛引成(「ひきなり」と読みます)
と表します。
下の83の飛車が成るときは
☗82飛行成(「ゆきなり」と読みます)
と表します。
桂馬が成る(成らない)場合
真ん中上から3段目③、65の桂馬が53に進む場合は
☗53桂左成(「ひだりなり」と読みます)
と表します。
45の桂馬が53に進む場合は
☗53桂右成(「みぎなり」と読みます)
と表します。
65の桂馬が53に成らないで進む場合は
☗53桂左不成(「ひだりならず」と読みます)
と表します。
香車が進む・打つ場合
右上④は24の香車が22に進む場合で
☗22香成
と表します。
持ち駒の香車を22に打つ場合は、24の香車が進む場合と区別するために
☗22香打(「うち」と読みます)
と表します。
歩を打つ場合
その下⑤は単純に持ち駒の歩を26に打つ場合で
☗23歩
と表し、「打」は付けません。
複数の銀の行き場所が重なる場合
下段左⑥は下の3枚の銀が同じ67に進むケースで
左の78の銀の場合
☗67銀左
真ん中の68の銀の場合
☗67銀直(「すぐ」と読みます)
右の58の銀の場合
☗67銀右
と表します。
複数の金の行き場所が重なる場合
下段右⑦は3枚の金が同じ37に進むケースで
上の36の金の場合
☗37金引(「ひき」と読みます)
左の47の金の場合
☗37金寄(「より」と読みます)
下の38の金の場合
☗37金上(「あがる」と読みます)
と表します。
同じ場所に動く場合
第2図をご覧ください。
第2図
今、先手が☗34歩と歩を取ったところです。
43の銀でこの歩を取ることになりますが、
棋譜上の表記は
(☗34歩)☖同銀
となります。
第2章 初手について
「将棋の初手は何を指したらいいの?」
とお思いになりませんか。
結論から言うと、先手・後手の初手を組み合わせて大まかに4通の出だしがあります。
本章のポイント
- ☗76歩・☖34歩
- ☗76歩・☖84歩
- ☗26歩・☖34歩
- ☗26歩・☖84歩
初手は大駒(飛車と角)の働きを強める手を指すのが一般的です。
角道を開ける☗76歩(後手の場合☖34歩)か、飛車先を突く☗26歩(☖84歩)の組み合わせで序盤の大まかな流れが定まります。
1. ☗76歩・☖34歩
第3図
先手☗76歩、後手☖34歩と角道を開け合う形です。
角がぶつかり合っていますが☗22角成とされても☖同銀で大丈夫です。
2. ☗76歩・☖84歩
第4図
先手☗76歩に対して後手が☖84歩と飛車先を突く形です。
3. ☗26歩・☖34歩
第5図
先手の飛車先を突く☗26歩に対して、後手が☖34歩と角道を開ける形です。
4. ☗26歩・☖84歩
第6図
先手☗26歩、後手☖84歩と互いに飛車先を突き合う形です。
第3章 戦法のバリエーション
第2章で解説した初手の4パターンから、いくつかの戦法に分かれていきます。
代表的な戦法のザックリとしたバリエーションを、下記に動画で例示してみました。
手順は気にされなくて構いませんので、「こんな形になるんだな」というイメージをつかんでいただければと思います。
本章のポイント
2. ☗76歩・☖84歩から分岐
- 相矢倉
- 角換わり
- (雁木)
- (振り飛車)
- (角換わり)
- (雁木)
- 相掛り
- (角換わり)
- (雁木)
1-1 振り飛車
第7図(動画)
振り飛車は、飛車の右からの位置によって5列(中飛車)、4列(四間飛車)、3列(三間飛車)、2列(向かい飛車)に分かれます。
第6図は後手四間飛車の例です。
先手と後手の王様の守りの形(囲い)にはそれぞれ名前があり、先手居飛車側(飛車が元の位置にいる側)の守りを
舟囲い(「ふながこい」と読みます)
後手振り飛車側の守りを
美濃囲い(「みのがこい」と読みます)
といいます。
1-2 相振り飛車
第8図(動画)
相振り飛車は、互いの飛車の位置によってさまざまなバリエーションがあります。
第7図は、向かい間飛車vs向かい間飛車の例です。
先手の囲いは
右矢倉囲い(「みぎやぐらがこい」と読みます)
後手の囲いを
穴熊(「あなぐま」と読みます)
といいます。
1-3 横歩取り
第9図(動画)
横歩取りは、相居飛車(先手も後手も飛車を元の位置で使う戦型)の1バリエーションです。
複数の歩を持ちあうのが特徴です。
最終手☗27歩以降、後手は22の銀を繰り出し、場合によっては☖35銀から☖26歩を狙う将棋になります。
先手は☗75歩から☗86歩と、8筋の歩を伸ばして飛車の86への転戦を狙う将棋に進展します。
先手・後手の囲いを
中住居(「なかずまい」と読みます)
といいます。
1-4 雁木
第10図(動画)
雁木は、相居飛車の1バリエーションで、角道を止めて67に銀がくる形が特徴です。
最終手☗47銀以下、後手☖75歩の開戦には☗65歩と反発する将棋になります。
先手の守りを
雁木囲い(「がんぎがこい」と読みます)
後手の守りは
左美濃囲い
といいます。
2-1 相矢倉
第11図(動画)
相矢倉は、相居飛車の代表的な戦型と言える形です。
最終手☖14歩以下、☗64角☖同歩☗26銀☖65歩☗同歩☖75歩と闘いの火蓋が切られ、☗同歩と取れば☖39角から馬づくり狙う将棋になります。
守りは
矢倉囲い
です。
2-2 角換わり
第12図(動画)
角換わりは、プロ間で人気のある戦型で角を持ち合うのを特徴としています。
最終手☖14歩以下、先手は☗66歩から☗79玉か☗88玉の形にして、後手が手待ちならば、機を見て☗45桂から☗24歩を狙って開戦する将棋になります。
守りは
矢倉囲いの類似形
になります。
4-1 相掛り
第13図(動画)
相掛り(「あいがかり」と読みます) 飛車先の歩を突いていって一歩を持ち合い、王様を浅く囲い合うのが特徴です。
最終手☗46歩以降の駒組は先手は☗47銀~☗48金~☗29飛の形を作り待ちます。
後手も☖64歩~☖63銀~☖62金~☖81飛の形で待つと、互いに戦機を捉えにくい将棋となります。
守りは後手が
中住居
先手の囲いにはポピュラーな名前はありません。
まとめ
今日は将棋の定跡について以下の3つのポイントと、戦法には大まかに分けて7つの類型があることを学んできました。
定跡を学ぶにはまず棋譜の 表し方・読み方を覚えることが基本となります。
また大まかですが、将棋の初手には4パターンあり、そこからさまざまな戦型に分かれていきます。
その4パターンから分かれる代表的な戦法を見てきました。
各戦法の序盤、中盤の研究しつくされた手順が定跡です。
言ってみれば地図ですが、将棋は無限の可能性を秘めており定跡は生きています。
日々進歩しており、プロをはじめとして人々によって創意工夫が凝らされ続けています。
皆さんも腕が上がってきたら、丸暗記した定跡どおりに指すだけでなく 、新たな手の可能性を探っていけるようになりますよ。
また今回ご紹介した戦法は、ザッと見積もっても20類型近くある戦法のうちのほんの一部です。
全部定跡を覚えるのは大変なので、得意戦法を持つことをお勧めします。
例えば振り飛車を得意戦法とすれば、上の戦法の7類型のうち振り飛車と相振り飛車だけ覚えればよいのです。
得意戦法を駆使して気持ち良く勝ったときの気分の良さは格別ですよ。
お読みいただきありがとうございました。
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