待ち駒は立派な手筋|逃げ道を塞いで王様を捕縛
皆さんこんにちは。
いつも小欄をご覧いただきましてありがとうございます。
さて今回は将棋の寄せ(王を詰みに追い込む段階)の考え方を見ていきたいと思います。
<商品のご紹介>
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藤井二冠の強さに迫る本書。
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しかしソフトの読む奥行きを数億手に増やすと、彼の指した手が最善手として浮かび上がるという分析結果が出ました。
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第1問 王は包むように
第1問は今☗97同香と歩を取った局面です。
終盤の留意点は
- すぐ目につく王手に飛びつかない
- 王は包むように寄せる
- 金はトドメに残す
目につく王手に飛びつかない
いよいよ大詰めですが、ここでやってはいけない手があります。
☖79金といきなり王手する手です。
将棋には「王手は追う手」という格言(先人の強い人が将棋の教えとして残した言葉)があり、目につく王手をどんどんしてしまうと最後に駒が足りなくなるケースがほとんどです。
参考までに一例をあげると、上図以下☖79金☗77玉☖65桂☗同金☖同歩(参考1図)
と進んだ局面は、この後☖78金打と打つ手が回っても詰みがなく、追い過ぎとなってしまいます。
王は包むように寄せよ
金をトドメに残す
問題図では王の逃げ道を塞ぎ、次に厳しい手を見るのが正しい考え方です。
この考え方が格言「王は包むように寄せよ」です。
将棋の寄せにおいては、予め王の広い方の逃げ道に駒を配置して、逃げ道を狭めるようにすると、その手が自然に詰めろになっていたりします。
また、金をトドメに残すというのも大事な考え方です。
ほとんどのケースで金は王を詰める段階の主役になるからです。
この場合は77の逃げ道を封じ、次の☖79金を厳しくするのが包む寄せであり、金を残す考え方です。
そのための主役は桂馬です。
お考え下さい。
第1問解答
☖85桂(図)
正解は☖85桂です。
この手は実は詰めろです。
以下の手順は難解ですのであくまで参考までに記します。
お時間のあるときに、盤に並べていただければと思います。
図で先手が放っておくと、
☖79金☗88王☖89金☗98王☖99金☗同馬(☗88王は☖89竜で詰み)☖97桂成☗同王
☖99竜☗98歩(☗86王は☖68角☗75王☖95竜☗66王☖65香以下詰み)☖88角☗86王
☖85香☗75王☖74香☗64王☖63金☗65王☖64香までの詰めろです。
初心者の方は、このように王の逃げ道を塞ぎ、次に厳しい手を見るという呼吸を学んでください。
第2問 安い駒で剥がす
ここからは詰将棋です。
図は☖68角の王手に☗66王とした局面。
56に守備駒の金がいますので、まずはこれを消しにかかる王手です。
65から打つ駒は何がいいでしょう。
値段の高い駒(金や銀)を後に残して、安い駒で間に合えば良いのですが・・・。
第2問解答
☖65香(図)
正解は☖65香です。
この手に☖75王が気になりますが、そこで74金と打てば、86には角が利いていますので詰みとなります。
つまり問題図では65に打つ駒が香車でも、先手は同金と取る一手ということになります。
このように詰ます過程では、金銀などのトドメの駒はなるべくとっておき、同じ効果が得られるのであれば安い駒で済ますのが鉄則と言えます。
第3問 三手詰み
前問☖65香以下第3問へと進みます。(手順は☗同金☖同歩☗同王☖74銀☗54王☖53香☗45玉です。必然の手順となりますので興味のある方は盤に並べてみてください)
ここからは3手詰みです。
ヒントは、34のと金がいなければ☖35金の一手詰みですね。
と金をずらすには?
最後には25の歩も活きます。
第3問解答
☖44金(または☖44銀)(図)
正解は☖44金(または銀)です。
これを☗同とと取るとヒントのとおり☖35金で詰み。
実戦は☗36王と逃げましたが、これも☖26金までの詰みです。
まとめ
今回学んだポイントは以下のとおりです。
- 「王は包むように寄せよ」・・・目先の王手に飛びつかず、王の逃げ道を塞いで次に厳しい手を見る
- 王を詰ます段階でも、高い駒(金銀)を後に残し、安い駒(桂馬や香車)で代用が効くときは安い駒で済ます
特に王を包むように寄せるという感覚は、終盤の基本中の基本ですので、この機会に是非学んでください。
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