一方的な攻勢のなか藤井二冠がリードを維持、大捌きの☗36金
目次
第70期王将戦挑戦者決定リーグ戦
藤井二冠vs木村九段戦
藤井二冠、200勝達成おめでとうございます。
この勢いだと全ての最年少記録を塗り替えるのではないでしょうか。
コンピュータがウン億手読むと、藤井二冠が指した最善手にたどり着くというのも凄いですね。
さて今回は王将戦リーグの対木村九段戦より取材したいと思います。
ハイライトは第1図。
ここで決め手がありました。
分かりやすい手ですのでお考えになって当てられてはいかがでしょうか。
正解は☗36金(第2図)です。
これには☖同銀しかなく、☗62角成☖同飛☗53角と王手飛車取りが実現しました。
以下☖42飛☗33歩成☖同桂☗同桂成☖同銀☗34歩(第3図)
と進み、あとは歩を連続で叩いて金銀を上ずらせ☗52金(第4図)
でほぼ試合終了です。
全体の印象として木村九段の陣形がまだ整わない段階での開戦となり、藤井二冠の一方的攻勢の将棋となりました。
受けの名手木村九段をもってしても、藤井二冠の鋭い連続攻撃に、受け切ることは困難だったようです。
藤井二冠に対抗するためには、肉を切らせて骨を断つ的な、斬り合いの将棋に活路を見出すしかないのかもしれません。
本当に空恐ろしい若者です。
頑張れ!!藤井二冠
前回の宿題の解答
【再掲宿題図】
【宿題図解答】
☖52金(図)
正解は☖52金です。
ヒントにも書きましたが、玉の懐を広げ上部に厚く構える受けの手です。
以下☗63桂不成☖同銀☗53角成☖同金☗45桂と攻めを繋いできましたが、この手が詰めろではなく、ついに待望の☖58成香(下図)が実現しました。
☗82金には☖61玉とわざと王手飛車取りがかかるように逃げ、☗53桂不成☖52玉で王手が続かず後手の勝ちが決まりました。
新コーナー・初心者講座(居飛車対振り飛車編)
今回から居飛車対振り飛車の将棋を題材に、初診者コーナーを設けたいと思います。
初めの形から先手居飛車側の初手は☗76歩。
まず大駒の働きを強めるのが初手の常識であり、☗76歩は角の道を開き一手で敵の33の地点を直射することができます。
後手は同じ理屈で☖34歩。
このとき☗22角成と角が成ってくる手が気になりませんか。
しかし☖22同銀(下図)で大丈夫。
図をよくご覧ください。
後手は一手遅れているはずなのに、銀が上がっている分先手と後手が入れ替わっています。
これを将棋用語で手損と言います。
ちなみに☗22角成に☖同飛は、☗65角と角を打って83か43に角を成ることができます。
そのとき☖33角打と99の香を狙う手には、☗88銀と受けて飛車が横に利いているので大丈夫です。
☗76歩☖34歩には、先手は居飛車(飛車をもとの位置で使う)を目指しているので、飛車の活用を図って☗26歩とします。
これに対して、穏当に☖44歩(下図)と角道を止めるのが、後手振り飛車の出だしの第一歩となります。
振り飛車を指す場合、角を持ち合うと先ほどのように、角の打ち込みの隙が居飛車よりも多いので交換を避けます。
この手が振り飛車を目指す場合の序盤のポイントの手の一つとなります。
<続く>
詰将棋
<下の玉は無視してください>
オマケの詰将棋(下図)です。
持ち駒は金で、どこかに金を打てば一手で詰みます。
さてそれはどこでしょう?
解答は次回にお知らせします。
今回の宿題(中級者編)
【宿題図】
下が後手です。
今☗69歩成(便宜上41を69と読み替えます)と飛車を取り返してきたところです。
状況を分析してみますと、最大のポイントは先手の歩切れです。
あと69のと金がむしろ邪魔駒となっていること。
それとここで後手の手番であることと、45の位も大きいです。
ここはチャンスです。
45の位を生かす攻めの手といえば、もうお分かりですね。
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