ゴールドシップ、憎めないあいつを育成してみて|有馬記念までの栄光がかすむ!出遅れ癖の真相とは?
ども!マサ公です😊
今日はゴールドシップの、ウマ娘での育成レビューについて詳しく述べます。
あわせてダイワスカーレット、ウォッカとの育成難易度の比較と、ゴールドシップの略歴についても触れたいと思います。
ゴールドシップといえば彼の輝かしい競争遍歴もさることながら、三連覇がかかった宝塚記念のゲートでの奇行で、ファンの期待を裏切った馬としても有名です。
その奇行の真相とはどんなものだったのでしょうか。
さっそく見ていきましょう。
2015年宝塚記念でファンの期待を大きく裏切った凡走の真相
ゴールドシップは気性に問題ある馬としてその奇行は有名です。
2014年の天皇賞春で、ゲートで立ち上がって怒り散らすパフォーマンスとみせ、惨敗してあらためて彼の気性的問題を露呈します。
そして迎えた2015年宝塚記念。
彼はこのレースで再びゲートで暴れだし、他の馬がしばらく進んでからのスタートとなる、大出遅れを演じてみせます。
このときのゴールドシップの怒りの真相は何だったのでしょうか。
実は隣の枠のトーホウジャッカルがウルサクしたため、彼はつられて怒りだしてしまったのだそうです。
枠入り最後のラブリーデイが入るころにはその怒りはピークに達し、とてもスタートどころではなくなってしまったのでしょう。
このように気性に一癖も二癖もあるゴールドシップに、その辺にいそうな気難しくもなぜか許せる人物を連想してしまい、かえって親しみを感じてしまうのは私だけでしょうか。
ゴールドシップ、ダイワスカーレット、ウォッカのキャラを比較してみて
実際ウマ娘のキャラクターの中で、他にダイワスカーレットとウォッカのキャラに触れてみた段階では、私と一番ウマが合うのはゴールドシップです。
ダイワスカーレットは性格が良く頭も良すぎて、かえって手がかからなすぎて面白みに欠ける感じがします。
ウォッカは男勝りな性格と頭があまり良くない特徴を持っていますが、そのキャラがタイプでないのと、彼女の育成には大きなカベが立ちはだかります。
本物のウォッカはダービーで優勝していますが、並みいる歴代の強豪馬がそろうゲーム内では、ダービー5着以内の課題は困難を極めます。
そんな理由で何度育成に失敗しても、ゴールドシップを愛育し続けているのですが、次に育成することによって得た手ごたえを述べます。
ウマ娘でゴールドシップを育成してみた感想
ポイント
有馬記念3着以内の突破
私がゴールドシップの育成に、5回以上挑戦してみての手ごたえでは、最大の難関は有馬記念3着以内の目標です。
一回だけ突破しましたが、次の天皇賞春3着以内の目標に向けて、既に余力はありませんでした。
適切な継承・サポート・フレンドウマ娘の選択
私の試した条件は、ダイワスカーレット、ウォッカを継承ウマ娘とし、サポートウマ娘はサイレンススズカ、スペシャルウィーク、メジロマックイーン、トウカイテイオー。
優先順位をつけたトレーニング
育て方としては、開始段階での各能力の初期値の比率を維持し、ターンが足りないときはスタミナ、パワー、根性、スピード、賢さの順で優先トレーニングを行いました。
適切なレースローテーション
選択したレースローテーションは、新馬戦の後11月後半の京都ジュニアステークスか、東京スポーツ杯ジュニアステークスに出走。
目標のホープフルステークス後、皐月賞前に弥生賞。
皐月賞後はダービーをパスして鍛練に集中し、9月後半のセントライト記念か神戸新聞杯に出走。
そして菊花賞を迎えます。
ここまででは、GⅠを勝てればそれに越したことはないですが、最低でも重傷を1勝、できれば2勝したいです。
でないと次の有馬記念では、獲得ファン数不足で出走すら叶わないからです。
菊花賞から有馬記念までは3ターンしかなく、鍛える余裕に乏しいので大変です。
1回だけ有馬記念3着を突破したときには、天皇賞春の前哨戦に京都記念を選択しました。
しかしなるべく鍛える余裕があった方がいいので、阪神大賞典を前哨戦に選んだ方が良いかもしれません。
苦しいときは逃げ作戦
ゴールドシップは、レース時の作戦としては追い込み・先行を得意とし、逃げをあまり得意としない設定になっています。
しかしGⅠなどで人気がなく、マトモにいっても勝ち目が薄いときは、逃げを選択すると案外結果が良かったりします。
その他の注意点
あと気をつけた点としましては、途中のイベントで2択または3択の回答を迫られるシーンがありますが、私はなるべく無難な選択をしました。
選択を誤ると、ステータスに不利を受けることが有りますので注意してください。
またトレーニングでのロスが、なるべく少なくなるようにしてください。
運を天に任せる
目標を深く達成するためには、先ほど述べたローテーションの過程でどれだけ好成績をあげるかが重要、というのが全体の印象です。
出だしが良ければ好循環が生まれます。
みなさんの健闘をお祈り申しあげます。
ゴールドシップの略歴
血統
ゴールドシップの父はステイゴールド、母はポイントフラッグで母の父はメジロマックイーンです。
ステイゴールドとメジロマックイーンの組み合わせは、彼の先輩オルフェーブルと同じです。
2頭が好成績を収めたことから、この組み合わせは当時、ピッタリのニックス※としてモテはやされました。
ポイントフラッグの母系を遡るとスイートフラッグという牝馬に行き当たります。
彼女は重賞2勝、桜花賞2着、オークス3着の実績を残した名牝で、その子孫は数代を重ねてゴールドシップに結実したのです。
※ニックス・・・種牡馬と繁殖牝馬の父との相性(例:サンデーサイレンス系種牡馬×ノーザンダンサー系牝馬)
誕生
ゴールドシップの母は身体が大きすぎて脚元に負担がかかりがちだったので、身体が小さいステイゴールドを配合した経緯があるそうです。
しかしこの両親のもとに生を受けた彼は、案に反して500キロを超える大型馬でした。
デビュー
ゴールドシップは2011年7月に函館でデビューしました。
主な勝ち鞍(活躍期間2011~2015年)
共同通信杯(GⅢ)
皐月賞(GⅠ)
神戸新聞杯(GⅡ)
菊花賞(GⅠ)
有馬記念(GⅠ)
阪神大賞典(GⅡ)(3連覇)
宝塚記念(GⅠ)(2連覇)
天皇賞春(GⅠ)
生涯成績28戦13勝(GⅠ6勝ほか重賞5勝)
海外出走歴 凱旋門賞14着
印象的なレース
2012年(3歳)4月 皐月賞
4番人気に支持されたゴールドシップは、その後自身のレーススタイルとなった道中最後方から3コーナーを境に徐々に進出する作戦がはまり、初GⅠ制覇をとげる。
10月 菊花賞
ゴールドシップは、ダービーの1~4着馬がすべて何らかの理由で同レースを回避する幸運に恵まれる。
圧倒的1番人気に支持され、レースでは向場面から進出を開始し4コーナーで先頭に立つとそのまま押し切って2冠目のクラシックタイトルを手に入れる。
12月 有馬記念
ファン投票で6位に押され、陣営は出走を決定。
ゴールドシップはファン投票上位の、オルフェーブルとジェンティルドンナが回避するという、またも幸運に恵まれる。
1番人気に支持され、GⅠ3勝目となるタイトルを手にする。
この結果、2012年度の年度代表馬の座こそジェンティルドンナに譲ったものの、最優秀3歳牡馬に選出され、この年の牡馬最強を印象づける。
2013年(4歳)6月 宝塚記念
ファン投票2位で迎えたこのレースは、1位のオルフェーブルが回避し、3,4位のジェンティルドンナ、フェノーメノとの3強対決の様相を呈する。
ジェンティルドンナに次ぐ単勝2番人気に支持されたゴールドシップは、ライバル対決を制してGⅠ4勝目をあげる。
2014年(5歳)6月 宝塚記念
連覇がかかるこのレースは、ファン投票1位の自身を含めて3位まで(2位ウィンバリアシオン、3位ジェンティルドンナ)が出走を表明するハイレベルな一戦となる。
1番人気に支持されたゴールドシップは、2着に3馬身差の完勝。
GⅠ5勝目。
2015年(6歳)5月 天皇賞春
ゲート入りを嫌がり目隠しされてのゲートインとなり、スタート後は1番人気のキズナと並んで最後方。
最後の直線で逃げた馬を抜くと2着にクビ差の辛勝。
3度目の挑戦で初めて天皇賞春のタイトルを手にする。
GⅠ6勝目。
引退後
種牡馬となり重賞勝ち馬一頭(ブラックホール、2019年札幌2歳ステークス)を輩出し現在に至る。
まとめ
ゴールドシップは気性に問題がある、ポジティブな見方をすればヤンチャという表現がピッタリな憎めないやつ、というのが私のつき合ってみた印象です。
そんな彼(女)をウマ娘で育成するのは、ダイワスカーレットに比べて困難を極めましたが、それでも微笑ましくてやり甲斐のある仕事だと感じました。
現実のゴールドシップがこれから走る馬をたくさん輩出し、産駒がいくつものGⅠタイトルをとって、父に負けない馬たちが現れることを願ってやみません。
お読みいただきありがとうございました。
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【ウマ娘】もしガチャでサイレンススズカを引いたら|史上最強の宝塚記念馬
ども!マサ公です。
今日の主役はサイレンススズカです。
彼は重賞5連勝を含む6連勝を記録し、宝塚記念を制した逃げ馬として有名です。
6連勝目の毎日王冠でも大逃げを打ち、後に凱旋門賞2着となるエルコンドルパサーと、有馬記念2勝のグラスワンダーを尻目に、影も踏ませず圧勝した馬として、その印象はあまりにも強烈です。
そんなサイレンススズカの略歴を紹介しながら、もしウマ娘のガチャでサイレンススズカをゲットしたらどう育成していくか、私の所見を交えてお話したいと思います。
誕生
彼が生まれた当時(1994年)は、サンデーサイレンス産駒が頭角を現し始める前夜のような時期で、アメリカでG1を6勝した鳴り物入りの高額種牡馬として注目されていました。
そんな父を持つ彼の毛色は栗毛でした。
当時「サンデーサイレンス産駒は黒い馬しか走らない」とう通り相場がまかりとおり、栗毛のサイレンススズカのデビュー前の評判は、毛色ゆえに疑問符が付くという偏見にも似た評価を受けていました。
しかも彼は体が小さく、関係者の目には走る姿が想像しにくい馬だったようです。
性格はとてもヤンチャで元気一杯でしたが、このことは気性に問題がある馬の可能性も否定できませんでした。
デビュー
そして迎えた1997年。
3歳となったサイレンススズカはデビュー戦を迎えます。
彼はデビュー前の調教で頭角を現し始め、一番人気で本番に臨むことになりました。
そして彼はこのデビュー戦で2着に7馬身差をつけて圧勝し、周囲の評価を一変させるのでした。
一躍クラシック候補の一角に名乗りをあげ、彼の忙しい日々がこのときから始まったのです。
難しい個性
まず皐月賞の出走権が欲しいサイレンススズカ陣営は次走に弥生賞を選びます。
2番人気に支持され陣営の期待は嫌がうえにも高まりましたが、このレースで心配された彼らしさが出てしまいます。
なんと発送前にジョッキーを振り落として、ゲートをクグってしまったのです。
ジョッキーは負傷しましたが、馬体検査の結果レースはそのまま続行されました。
しかし外枠発走となったサイレンススズカは、スタート直後に立ち上がってしまい、結局8着に敗れてしまいます。
このエピソードは彼の性格をよく物語っていると思います。
彼は気分が乗らないと激しい性格がもろに出てしまうタチだったようで、この後もたびたびヤンチャさをむき出して陣営を悩ませることになります。
その後サイレンススズカの陣営は目標をダービーに切り替えます。
手始めに500万下の条件戦を圧勝し、そして彼はトライアルレースで1着になって正式にダービーに名乗りをあげます。
迎えたダービーでは、彼は4番人気に支持されました。
しかし控える作戦が裏目に出て、チグハグなレースになってしまい、9着に終わってしまいます。
ご存じの方も多いかと思いますが、サイレンススズカの代名詞と言えば「大逃げ」です。
ダービー後徐々にこの作戦は定着していきますが、神戸新聞杯、天皇賞秋と不発が続き、マイルCSにいたっては15着と大敗してしまいます。
変身、そして6連勝
しかし次走の香港国際カップ5着を境にサイレンススズカに「何か」があったようです。
それはこのときから鞍上に迎えた武豊騎手との相性によるものなのか、それとも海外遠征で彼の心境に何らかの変化があったのか。
結論は定かではありませんが、年があらたまり1998年になるとサイレンススズカは変身します。
オープン特別のバレンタインステークスを皮切りに、3月にGⅡ中山記念を逃げきって初重賞のタイトルを手中に収めると、その後小倉大賞典、金鯱賞を圧勝。
既にこの年の大目標を天皇賞秋と定めていた陣営は、金鯱賞後放牧を予定していました。
思えばデビュー以来、サイレンススズカは休みらしい休みを取っていません。
この時期彼に一番必要だったのは休養でしょう。
金鯱賞後に休養をとってブッツケで天皇賞に挑戦したとしても、彼の実力からすれば充分勝利を見込めたと思います。
ここで決断があれば、サイレンススズカの悲劇が避けられたのではと惜しまれてなりません。
ウマ娘で、そんなサイレンススズカを育成する機会に恵まれて、同じローテーションを体験したとします。
トレーナーとして彼を宝塚記念に出走させるか否かを決定する責任を任されたら、私は迷いなく回避を決断するでしょう。
体力ゲージに気をつけながら、たっぷり休暇を与えて失敗確率の高いトレーニングはしません。
スパルタトレーニングを施して栄光を目指すよりも、彼に心も身体も健康でいてほしいからです。
無理をさせなくても、軽く殿堂入りするくらいの実力は、確実に備えた「ウマ娘」なのですから。
サイレンススズカは宝塚記念のファン投票で6位に推され、陣営は出走を決定します。
しかしこの宝塚記念、続いて毎日王冠への出走が、彼の伝説を揺るぎないものにしたとも言えるでしょう。
レースでは例によって大逃げを打ち、彼はステイゴールド、エアグルーヴを抑えて優勝し、5連勝を達成して念願の初GⅠタイトルを手にします。
余談になりますが、私があえて史上最強の宝塚記念馬を挙げるとしたら、迷いなくこのサイレンススズカを推します。
次走の毎日王冠の結果を知れば、その理由を納得される方も多いでしょう。
冒頭でも触れましたとおり彼は毎日王冠で、彼にヒケをとらない実績を残した名馬エルコンドルパサーと、グラスワンダーを子ども扱いにしたのです。
私は中継映像を目の当たりにしましたが、後にも先にもこんな衝撃的に強い馬を観たことがありません。
勝ちっぷりの強烈さで言ったら、彼の右に出る馬はいないでしょう。
本番・・・しかし
他の陣営はサイレンススズカの強さに恐れをなしたのか、次走本番の1998年天皇賞秋は参加頭数が12頭と、少ないメンバーでのレースになりました。
嫌がうえにも彼に人気が集中します。
そのプレッシャーだけでなく、デビュー以来ここまでほぼ休みなく使われてきて、彼は表に見せない疲労を蓄積していたのでしょう。
そしてサイレンススズカは、ライスシャワーのいる天国への、永遠のフライトに旅立ったのです。
まとめ
サイレンススズカは一言でいうと、「化けた最強馬」であるというのが私の印象です。
デビュー以来チグハグとしていた彼の戦歴は、香港遠征を境に一変します。
その原因は、やはり武豊騎手との相性にあったのではないかと私は推測します。
馬当たりの柔らかい優しい性格の武騎手になだめられ、彼の性格の激しい部分が安定していったのではないでしょうか。
また彼のほぼ年中無休のローテーションには、労をねぎらいたい気持ちでいっぱいになります。
もっと休み休み走らせてあげたかった。
でももうそれを言うのはよしましょう。
本当にお疲れさまでした。
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ウマ娘「天皇賞馬ライスシャワー」物語|宝塚記念で散った稀代の名ステイヤーの異名は刺客
ども! マサ公です😊
今日はライスシャワーの思い出を書きたいと思います。
この馬の別名は「刺客」でした。
ミホノブルボンや、メジロマックイーンの偉業達成を阻止した実績から、あまりありがたくない異名をつけられてしまったようです。
この馬は競馬でいうところのマラソンレースに当たる、3000m以上のレースに出て負けたことが有りません。
父親はリアルシャダイという種牡馬で、筋金入りの長距離血統でした。
このことからライスシャワーは稀代の名ステイヤーとして、歴史にその名が刻まれることとなったのです。
そんなライスシャワーの、私にとっての思い出をつらつらと書いてみます。
お付き合いいただければ幸いです。
出会いは1993年の天皇賞春から
実は私はライスシャワーのデビューから3歳にかけての活躍を、実際の中継映像などで観ていません。
又聞きになりますが、新馬戦に買ったもののクラシック前はさしたる実績がなく、そして迎えたダービー。
単勝16番人気を跳ね返し、ミホノブルボンの2着に入り一躍脚光を浴びました。
秋には2番人気で菊花賞を迎え、三冠のかかるミホノブルボンを差し切って優勝してしまったのです。
この時から栄光を目指すスターホースの、道を邪魔するイメージがつきまとい始めました。
そして迎えた1993年、4歳春の天皇賞。
この時はメジロマックイーンの同一レース3連覇がかかっていました。
私はそれまでニュースでオグリキャップなどの活躍に触れ、競馬に関心はあったのですが、馬券を買ったのはこの時が初めてでした。
そしてこのレースが、ライスシャワーとの初めての出合いとなりました。
私は競馬のケの字も分からず、友達に勧められるまま印どおりに、ライスシャワーからの馬連を買ってみました。
結果はまたもメジロマックイーンの栄光を阻止して、ライスシャワーが優勝してしまいました。
このときのテレビ放送の実況で、アナウンサーが初めて「刺客」という表現を使い、「 刺客ライスシャワー」というイメージが定着していったのです。
ちなみに私の馬券の結果は、生まれて初めて買った馬連が的中し、100円が340円ほどになったかと記憶しています。
儲けは40円ほどでしたが、私はビギナーズラックを体験することができました。
当たったことがとても嬉しくライスシャワーと言う馬をたまらなく好きになりました。
しかしこのレースを境に、ライスシャワーは長いスランプのトンネルに迷い込んでしまうのです。
スランプ
トンネルの始まりがその年の秋、初戦のオールカマーでした。
1番人気に支持されたこのレースでは、韋駄天ツインターボが大逃げをかまし、ライスシャワーは追走が間に合わず3着に沈んでしまいます。
私はこのレースを、自信が持てず傍観していました。
そして単純に「ツインターボってこんなに強い馬だったんだ」と思い込み、いつしかライスシャワーのことを忘れてしまっていたのです。
そして本番の天皇賞秋で、ツインターボ流しで大勝負してしまい、競馬の怖さを知るのでした。
ライスシャワーはこのレースでも6着に沈み、スランプは続きます。
私は大負けに縮み上がってしまい、この後のジャパンカップ、有馬記念の彼の凡走の被害を受けずに済みました。
ライスシャワーは迎えた1994年、春の天皇賞を目指して京都記念、日経賞と僅差の競馬をしましたが、その後故障が判明してしまいます。
このとき真剣に彼の引退種牡馬入りが検討されましたが、実績不足ということで現役続行が決定されたのです。
思えばこのとき種牡馬入りが決定していれば、例え実績の乏しさゆえに種牡馬としての人気がなくとも、彼はそれなりに幸せな一生を送っていたことでしょう。
私の方はツインターボのトラウマが延々と続き、ナリタブライアンが華々しく活躍する、その年の春のクラシック戦線をただ眺めていました 。
その秋にトラウマがようやく癒え、馬券を買い始めたところ、なぜかこの年は絶好調だったのです。
その当時の私の馬券スタンスは、ほどほどの人気で来そうな馬が、低評価を受けているレースを発掘し買うというものでした。
ある日曜日、その日は競馬をやらないつもりで家に届いたスポーツ新聞を眺めていたところ、これはこの馬が来そうだと直感したレースがありました。
いまから競馬場に行っても締め切りに間に合うか、という時間であったにもかかわらず、私は競馬場に駆けつけました。
そして買った馬券が的中するといった具合だったのです。
復調の兆し
故障後のライスシャワーは想定以上に回復が早く、私の好調と重なる時期に復帰してきました。
そして復帰初戦の有馬記念。
好調に酔いしれていた私は彼のことを無視していました。
その日の平場のレースで、例の狙い方で的中しプラス収支となったので、有馬記念は遊ぼうと決めていたのです。
結果はナリタブライアンが優勝し、女傑ヒシアマゾンが2着でした。
私はナリタブライアンの単勝を買っていたので、他の馬の順位には関心がありませんでしたが、ライスシャワーは密かにこのレースで3着に入っていたのです。
復活!!天皇賞春
そして迎えた1995年の天皇賞春。
このころには私の好調の波はどこえやらと消えてしまい、再び競馬の難しさが身にしみている時期でした。
ライスシャワーはこのレースで見事に二年ぶりの復活をとげます。
冒頭にも書きましたが、彼はこのレースを含めて3000m以上のレースを全勝しており、あらためて血統の裏付けどおりのステイヤーであることが証明されたのでした。
私はこの復活劇を予想だにせず、いっしょにお祝いする気持ちになれなかったのは残念ですが、「ライスシャワーは個性的な馬だったなあ」と今も懐かしく心に蘇ってきます。
今思えばこのタイミングこそ、絶好の引退の時期だったと悔やまれてなりません。
宝塚記念、そして「帰らぬ人」に
ライスシャワーの陣営は次の宝塚記念の際、事前のファン投票で1位に推されたことなどを理由に出走を決定します。
そして彼は「帰らぬ人」となったのです。
それはあまりにも悲しすぎる結末でした。
心からご冥福をお祈り申し上げます。
まとめ
ライスシャワーはクラシックまでの活躍は地味でしたが、ダービー2着で一躍脚光を浴びます。
そしてミホノブルボン、メジロマックイーンという錚々たる名馬の栄光を阻止し、「刺客」というありがたくない異名を冠せられてしまいます。
「スランプの時期に引退を決断していれば」と惜しまれる過去はありますが、現役続行を実らせて再びの栄光を拝したのは、さすがに名馬と言わざるをえません。
この絶好の引退のチャンスを見送り、彼が悲運にみまわれたことは、きっと私たちの心に強烈な印象を残して、永遠に生き続ける定めの馬だったからなのだと思いたいです。
実際私の胸の中には、そのあと数々の名馬が去来しましたが、一番鮮明に焼き付いているのはやはりライスシャワーです。
彼の魂よ!永遠なれ
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「みんなの将棋教室入門編」あえてデメリットを挙げるとすれば?
皆さん、こんにちは。将棋大好きマサ公です😊
今回ご紹介する商品は
「みんなの将棋教室入門編」
というソフトです。
まずお伝えしたいのは、このソフトは
- 将棋に興味があって教材をお探しの方
- オンライン教室を考えてみたけど、「ハードルがちょっと高いな」と感じられている方
- パソコンで将棋を学習したい方
には、ひとりで手軽に将棋が学習できるお手頃なソフトであるということです。
お子様でも小学校3年程度以上であれば、説明文に出てくる漢字も問題なく読めるでしょう。
もっと言えばそれより小さなお子様でも、親子のコミュニケーションツールとして一緒に将棋を学んでいただければ、このソフトが家族の団らんに一役買うことも期待できます。
「みんなの将棋教室入門編」がどれくらい将棋学習に適しているのか?
メリット・デメリットは?
ご紹介申し上げましょう。
「みんなの将棋教室入門編」の動作環境
- 商品名:みんなの将棋教室入門編 (株)アンバランス
- OS:日本語Windows®7/8/8.1/10(32/64bit)
- CPU:デュアルコアCPU 2GHz以上
- メモリ:1GB以上
- HDD:500MB以上
- ビデオカード:解像度1024×768、High Color(16bit)以上
★インストール時にCD-ROMドライブが必要となります。
以上が動作環境です。
普通にOSがWindows10でCD-ROMドライブのある、極端に古くないパソコンであれば問題なく動くと思われます。
インストールから開始画面へ
同梱のインストール手順にしたがってインストールすると、以下の開始画面になります。
メニューはたったのこれだけで、非常にシンプルです。
順にご紹介していきます。
【解説】
「解説」を開くと以下のサブメニューが出てきます。
将棋の歴史・駒の動かし方など
ここでは
について詳しく分かりやすく解説されており、次へ「進む」ボタンでテンポ良く読み進めることができます。
上の画面右下隅の「目次」ボタンをおせば、いつでも自分の読みたいところへ飛ぶこともできます。
10枚落ち、8枚落ちの駒落ち定跡の解説がある
将棋には上手な人が駒を引いて、例えば歩と王様だけとか(10枚落ち)、歩と王様と金だけとか(8枚落ち)の状態で、全部駒がそろった下手に教えるという指し方があります。
この指し方を「駒落ち」といい、その道しるべとなる定跡を「駒落ち定跡」といいます。
みんなの将棋教室入門編には、10枚落ち、8枚落ちの「駒落ち定跡」の解説があり、基本的な下手の勝ち方について説明しています。
またそれぞれに復習問題がついており、学んだ内容をオサライすることができます。
平手で指してみよう~基礎編・実戦編~
平手で指してみよう~基礎編・実戦編~では、駒得の大事さや基本的な将棋の出だし、棒銀戦法の成功例などを解説しています。
ここでも復習問題で学んだことを確認できます。
【練習問題】攻めの手筋・詰め将棋
「練習問題」では攻めの手筋25問と詰将棋25問、合計50問が出題されています。
実戦に応用が利きそうなアルアル問題が厳選されています。
【用語集】【格言コレクション】
「用語集」・「格言コレクション」では、将棋の解説に用いられる用語や、格言(先人の強い方が残された将棋のコツを意味する名言)について詳しく説明しています。
初心者にちょうど良いレベルの【対局】モード
またこのソフトには「対局」モードも付いています。
強さはレベル3までの三段階から選べ、駒落ちも選択することができます。
私も対戦してみたのですが、強すぎもせず弱すぎもせず、初心者にはちょうど良いレベルの対局モードだと思います。
強さを自在に選べるので、この対局モードで勝てるようになれば、ライバルのお友達にも勝てるようになりますよ。
まとめ
以上「みんなの将棋教室入門編」のコンテンツについてご紹介してきました。
一通りすべての機能を体験してみた感想としては、
- 次へ「進む」ボタンで画面が展開していくという手法が、スラスラと内容が頭に入ってきて、初心者にも分かりやすいだろうなと思えたこと。
- 初心者が学ぶべき将棋の知識が網羅的であること
- 駒落ちの必勝定跡の解説がついていて、全くの初心者でも勝利の快感が味わえそうなこと
- 復習問題がついていて学んだことの確認に役立つこと
- 練習問題はピンポイントに、実戦によく現れそうな問題がピックアップされていること
- 対局モードの強さ設定がちょうど良く、指す人の強さに応じて様々な選択肢があること
などが挙げられると思います。
ご利用者様の使い勝手が一番大事だと思いますので、公平な視点で見たデメリットを探してみたのですが、唯一あるとしたらコスパだと思います。
この内容で¥1500を切る程度の値段、どう見るかですが個人的な感想としては、私がもし将棋知識ゼロのド初心者だとしたら、このコンテンツであれば納得できると感じました。
本などで学習するより、はるかに効率的で頭を疲れさせることもなく、しかも対局モードで実力が試せて強さがちょうど良いソフト。
駒落ちモードで勝利の実感も味わえる。
ちなみに私の調べたところ、「将棋教室 ソフト」で検索してヒットした商品はこれだけでした。
以上が「みんなの将棋教室入門編」のレビューです。
よろしければご検討ください。
なお、このソフトはシリーズになっており、使用する方の強さに応じて
- みんなの将棋教室入門編:入門編は¥842の格安版がありますが、¥1445の品の方がニューバージョンです。
- みんなの将棋教室中級編
- みんなの将棋教室上級編
の3編が用意されています。
上級編のレベルはというと、「初段を目指す」を謳い文句にしています。
お読みいただきありがとうございました。
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敵の打ちたいところに打つ「遠見の角」で局面をリード|早石田の実戦に現れた変化
こんにちは!マサ公です😊
今日は早石田の実戦に現れた「遠見の名角」の実例をご紹介したいと思います。
「遠見の角」とは自陣などの離れた位置から、敵陣を遠くにらむ角を攻めの起点とするもので、「角筋は受けにくい」とも言われるとおり受けの難しい攻めです。
この実例は早石田の実戦の一変化から生まれました。
早石田、別名「升田式石田流」です。
この戦法は出現当初は奇襲戦法に位置付けられ、ハメ手のような扱いを受けてきました。
しかし升田実力制第4代名人によって創意工夫され実戦で大きな戦果をあげました。
現在では特に先手番での振り飛車党の積極策として多用されています。
昭和46年度の升田九段対大山名人の名人戦で両者は死闘を繰り広げました。
升田挑戦者がこの戦法を駆使し、第3局では歴史に残る妙手が出た対戦としても有名です。
今日はこの戦法の一端に迫り、序盤の進行と中終盤を見ていきましょう。
商品のご紹介
みんなの将棋教室入門編
将棋初心者の方におススメのソフトがあります。
「みんなの将棋教室入門編」という将棋学習ソフトです。
- 将棋に興味があって教材をお探しの方
- オンライン将棋教室はハードルがちょっと高いなと感じられている方
- パソコンで将棋を効率的に学習したい方
には、一人で手軽に将棋が学習できる、お手頃なソフトとなっています。
シンプルなメニュー構成と頭に負担がかからない解説の進行、駒落ち必勝定跡の分かりやすい解説etc。
ちょうど良い強さの対局モードがついていて、学んで間もなくの方でも勝利の快感を味わうことが夢ではありません。
小さなお子様のいるご家庭では、親子団らんのコミュニケーションツールとしてご利用ください。
詳しくは下記記事をご覧ください。
第1章-1 中終盤次の一手編
第1問 敵の打ちたいところに打つ
上図を見たときに、まず先手の嫌みから考えてみましょう。
放っておくと嫌な手は、☖16銀と打たれる手で、次に☖27香を狙っています。
見出しにも書きましたとおり、この局面での急所の手は敵の打ちたいところに打てです。
攻めにも効く遠見の〇打ちです。
お考えください。
第1問解答
☗16角
正解は☗16角です。
この手は☖16銀を防ぎつつ、☗52竜☖同銀☗同角成を狙っています。
実践では後手は☖34銀打と受けましたが、☗45歩が厳しく☖同歩は☗44歩、☖同銀は狙いの☗52竜があり、後手は適当な受けがありません。
このように、敵の打ちたいところに打つ攻防の角打ちは、優位拡大の原動力となりえます。
参考にしてください。
第2章 序盤の駒組みと変化
将棋のルールについては下記記事をご覧ください。
棋譜の見方については下記記事をご覧ください。
1. 出だしのポイント3手目☗75歩
開始局面からの指し手
☗76歩☖34歩☗75歩(第1図)
第1図
☗76歩☖34歩と角道を開け合う出だしから始まります。
そして3手目の☗75歩がこの戦法の骨子となる手です。
このあと飛車を7筋に振って、☗76飛と構える形を総称して「石田流三間飛車」と呼びます。
2. 角交換は怖くない
第1図以下の指し手
☖84歩☗78飛(第2図)
第2図
後手は☖84歩と居飛車の作戦を明示します。
この手で☖62銀とする手には、☗66歩として角交換がないノーマル石田流となり、別の将棋になります。
先手は☗78飛と三間飛車に構えます。
このとき後手が☖88角成☗同銀☖45角と角の両成を狙ってきたらどうなるでしょうか。
一見受けがなさそうですが、☗75歩と突いている形を活かし、☗76角と打つ手があります。
☗43角成を狙っていますので後手は☖42王と受けますが、そこで☗38銀と上がって両方の角成りを受けることができます(参考1図動画)。
参考1図動画
ゆえに角交換は怖くないのです。
3. 奇襲!王手飛車取り
第2図以下の指し手
☖85歩☗48王(第3図)
第3図
後手は☖85歩と飛車先を伸ばしてきます。
先手は悠然と☗48王と囲います。
しかし後手に☖86歩とされても大丈夫なのでしょうか。
結論から言うと、これは先手が仕掛けた罠です。
もし☖86歩☗同歩☖同飛とくれば、そこで☗74歩と突く手があります。
この手は☖同歩と取るしかなく、そこで☗22角成☖同銀☗95角として、目から火が出る王手飛車取りが決まります(参考2図動画)。
参考2図動画
4. 囲いが完成、ここで☖86歩は?
第3図以下の指し手
☖62銀☗38王☖42王☗28王☖32王☗38銀(第4図)
第4図
後手は用心して、☖62銀と銀を繰り出して攻撃に備えます。
先手は☗38王。
ここで☖86歩☗同歩☖同飛は、☗22角成☖同銀☗77角として飛車銀両取りをかけることができます(参考3図)。
参考3図
以下王の囲い合いになり、先手は☗38銀と美濃囲いを完成して第4図の局面を迎えます。
ここでも☖86歩が気になりますが、このタイミングではまた別の対策があります。
☖86歩☗同歩☖同飛に、今度は☗88飛と飛車をブツケます。
飛車交換は打ち込みのスキがある後手が不利なので、☖87歩と交換を拒否しますが先手は☗98飛と寄っておきます。
後手☖52金右に☗78金として次に☗88歩を狙います。
以下一例として参考4図動画のような展開が考えられますが、角を手持ちにしている分、先手が指せる分かれだと思います。
参考4図動画
5. 必然の角交換、以下は駒組
第4図以下の指し手
☖64歩☗76飛☖88角成☗同銀☖22銀(第5図)
第5図
後手は☖64歩と、次に☖63銀の形を目指します。
先手は☗76飛と、いよいよ石田流の構えを取ります。
放っておくと☗66歩とされ、ノーマル石田流になってしまうので、この戦型にした意味を求めるなら後手は☖88角成の一手になります。
☗同銀に☖22銀は、角筋に備える駒組となります。
6. 着々と駒組みが進む
第5図以下の指し手
☗78金☖63銀☗16歩☖14歩☗77桂(第6図)
第6図
先手は☗78金として角打ちのスキに備えます。
後手は☖63銀と飛車先に備えます。
端を突き合ったのち、先手は☗77桂として攻撃に備えます。
7. 遊び銀の活用
第6図以下の指し手
☖33銀☗79銀☖52金左☗68銀(第7図)
第7図
後手は☖33銀と壁銀を解消します。
ここで先手に大事な手があります。
この局面のポイントは、☗88銀が働きにくい駒になっていることに着目することです。
となれば☗79銀と中央に寄せる手が正しい感覚となります。
後手は☖52金左と右に厚い構えをとってきますが、先手は☗79銀の継続で☗68銀とします。
8. 後手飛車先を厚く受ける
第7図以下の指し手
☖94歩☗66歩☖51金寄☗67銀☖84飛(第8図)
第8図
後手は☖94歩と様子を見ます。
先手は☗66歩と、場合による☗65歩の開戦を狙います。
駒組が長くなりそうなので、後手は☗51金寄と金を寄せてきます。
先手は☗67銀と自然に構えます。
後手は☖84飛と先手の飛車先に厚く備え、場合による☖74歩の交換を見せます。
9. 銀冠を目指しつつ馬作りに備える
第8図以下の指して
☗56銀☖54銀☗96歩☖42金上☗26歩(第9図)
第9図
先手は☗56銀と☗65歩の攻撃を見せます。
後手も☖54銀と6筋に備えます。
先手は☗96歩の様子見。
後手は☖42金上と上部に厚く構えます。
ここで先手は☗46歩と突きたいのですが、これには☖69角と打つ手があります。
☗88金に☖25角成と馬を作られて、先手面白くありません。
そこで馬作りを防ぎつつ、銀冠にする手を含みにして☗26歩とつきます。
10. ☖35歩の位取りが急所
第9図以下の指し手
☖35歩☗46歩☖44歩☗47銀引(第10図)
第10図
ここが後手方の一つのポイントになります。
☖35歩の位取り(歩が五段目に進むこと)は、先手の☗36歩を妨害しつつ、次に☖34銀とするノビノビとした陣形を目指す手です。
この手は先手にとって嫌な手で、凹んだ形になりましたが予定どおり☗46歩とします。
後手は☖44歩と対抗します。
そこで先手は☗47銀引と銀を引いて、さらに王を固めます。
11. ついに開戦
第10図以下の指して
☖43銀☗58銀☖24歩☗56歩☖89角(第11図)
第11図
後手は☖43銀と、さらに固めつつ手待ちします。
先手の☗58銀も同じような意味です。
後手は☖24歩と王様の懐を広げつつ、☖25歩の攻撃を見せます。
ここで☗56歩と突いたのが誘いの好きです。
果たして後手は☖89角と開戦してきました。
金が動くと☖56角成と馬を作られてしまいます。
以下は中終盤次の一手編で解説します。
第1章-2 中終盤次の一手
第2問 ☗89角の受け方
いよいよ開戦となった☖89角に対して、どう金取りを受けるのかという問題です。
金を逃げる手がないとすれば、金に連絡をつけることになります。
例えば☗67銀は角が憤死する心配は無いので、悠々と☖34銀直とたたれます。
このあと先手は、☗68金として次に☗78銀を見る手はありますが、☖67角成☗同金☖78銀と打たれて困ります(参考5図)。
参考5図
☖89角は、受け方によっては先手がリードするチャンスなのです。
ガッチリ受けておいて、ゆっくり☗89角をタダで召し取る手を狙います。
第二ヒント
角を打つ手です。
お考えください。
第2問解答
☗69角
正解は☗69角です。
変な形ですが、この手は次に☗47銀右~☗79金の角のタダ取りを見た厳しい受け方です。
タダ取りを見せられては後手も☗78角成と切るしかなく、以下第2問へと進みます。
第3問 斬り合い
上図は飛車が死んでいるので手は限られています。
タダで取られるわけにはいかないので反撃します。
☖84飛が格好の目標になります。
お考えください。
第3問解答
☗85歩
☗85歩と斬り合いにもっていくしかない局面です。
以下☖76銀成☗84歩☖88飛と進み、そこで☗98角が☖58飛成に☗76角を見て好調な手となります(参考6図動画)。
参考6図動画
☗98角には☖77成銀と取るよりありませんが、そこで☗49金としっかり受けて不満はありません。
第4問 スキに打ち込む手筋の〇
上図は今、先手が☗54角と角を切って後手が☖同歩と応じた局面です。
駒の損得は先手の銀損ですが、この瞬間に王様に絡む手筋の手があります。
もし銀があったら、打ち込む場所が容易に想像できる地点がありますね。
そのスキに〇を打つ手も厳しいのです。
お考えください。
第4問 決め手の〇打ち
この問題は難しい詰みの変化を含んでいます。
ですから正解手順を見て、
「こんな風に将棋って勝ちが決まるんだ」
と感じながら動画を観賞してください。
第4問解答
☗34銀
正解は☗34銀です。
この手に☖25金は、☗42竜☖同歩☗23銀成☖同王☗41角☖32飛☗13歩成☖同歩(☖同桂は☗21飛以下早詰み)☗34金☖12王☗23金打☖11王☗12飛☖同飛☗同金☖同王☗23金☖11王☗12飛までの詰みです(参考8図動画)。
参考8図動画
☖25金と取る手がないとすれば、次に☗23銀成☖同金☗34桂が厳しい狙いになります。
実践は☖11桂と受けましたが、☗23銀成☖同桂☗34桂が実現し、先手の勝ちが決まりました。
まとめ
今日は先手早石田対居飛車の実戦の一連の流れを追ってみました。
第1章-1 中終盤つに一手編のポイント
第2章 序盤の駒組と変化編のポイント
- 早石田は3手目☗75歩から始まる
- 後手の飛車先は、受けなくても悪くならない様々な変化がある
- 角打ちのスキを作らないように、慎重に駒組を進める
- 遊び銀の活用
- 誘いのスキで開戦を誘う
第1章-2 中終盤次の一手編のポイント
- 開戦の☖89角打ちに、タダ取りを見せる受けの☗69角
- 飛車の取り合いで勝負する
- 終盤、際どい銀打ちで一手勝ちを目指す
早石田は振り飛車側が先手番のときの積極策として、久保九段などが愛用しています。
角を持ち合うので、お互いに角の打ち込みのスキを作らないように、神経を使う将棋となります。
中盤、振り飛車側から動く手は難しいのですが、手待ちを重ね駒の組み合いという特殊な将棋になりやすいです。
私的には、この戦法のオススメ度は、10点中6点といったところでしょうか。
この記事を参考にしていただいて、皆さんの得意戦法のレパートリーを広げてみてください。
お読みいただきありがとうございました。
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